2012年3月2日金曜日

踊りの時

舞台で踊る時、準備をする。でも、具体的な動きをイメージする事はあまりない。
心の状態を準備する。もし本番まで充分な時間があれば、舞台の裏にでも座る。そして今までの人生で一番うれしかった事を思い出す。具体的にじっくりとニヤニヤが止まらなくなるまで。その次に今までで一番悲しかった事を思い出す。泣くまで。次に可笑しかった事、次に悔しかった事、、、。
どんどん思い出す。一回りしたら、また最初のうれしかった事から。
少しずつ早く思い出せて、二回り、三回り、どんどんやる。
最後には、瞬間、瞬間で笑ったり泣いたりのチョー不安定状態に持ち込む。
これで舞台に上がる。
こんなやり方は、僕の勝手なやり方で他には知らない。
全てのダンスには基本がある。安定してドカッと立たない。安定したら動きが生まれない。西洋だったら爪先立ち、東洋は腰を落とす。不安定な身体をベースにする。
誰かにそう教わった僕は、心を不安定にしてみたのだ。
でも仕込み時間が長過ぎる。
いろいろ試した。焼酎を舞台で一本一気に飲んだりした。当然ダメ。
そこそこ上手くいったのは、舞台上で裸になる、だった。恥ずかしさで心はウラウラして踊らずにはいられない。100本はやったと思う。でもダンダン馴れちゃってダメ。
恥ずかしさはなくなり、だだの裸で踊るのが好きな人になっちゃった。
「何に依って踊るのか?」をハッキリさせる事が僕にとっては、何より大事だった。あわふやなモノに依りたくなかった。
建築も同じ。
ここをちゃんとしたいと思って日々やっています。

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