2013年8月29日木曜日

高山建築学校2013の3

開校してすぐに、佐藤君が二年間かけて作った母屋の土間に立つ壁(床を突き抜け二階に頭を出してる)の型枠を解体した。
蟻鱒鳶ルの型枠は養生後一週間ほどで型枠を解体するのだが、まずは黒光したコンクリートが現れる。でも、一月もすれば周りと同じように、白っぽいコンクリートにユックリと変化してゆく。
この事は、いくつかの本にコンクリートの状態としてとても良いことだ。と書いてあったし、確かにいい感じだな。と思っている。
でも稀に黒さが消え切れず、モニョっと不思議な感じで残ることがあり、何故だろうなと常々思っていた。

そして、佐藤くんのコンクリートは、この黒いモニョがたくさん残り模様のようになっている。

これは、凄いなー、、コンクリートのアウラが写り込んでいる感じだ。
硬さや、強さも、グンと感じる。
コンクリートの底力が現れている。
これは、意図して狙っていくべきじゃないか、そういう話をする人が何人も現れた。
剛平くんは、かなり具体的に動いていたし、
黒くなるのであればと、型枠を慌てて外す学生も一人もいなかった。

黒さが残る理屈の少しは判る。
水セメント比の小ささ。
乾かないような養生。
その養生期間の長さ。


佐藤くんは、去年柱のスケッチの上の方によく分からない雲のような、妖気のようなモノを描いていて「何これ?」と尋ねると「モニョですよ、モニョ」とよくわからない返答をくれた。
でも良いな〜と思っていた。
アホみたいに明白さばかりを求め、味気なくなってしまった今の建築に、このモニョは必要だろう、佐藤くんはそういうモノを探すんだな〜、と思っていた。
その佐藤くんの執念が、このコンクリートに現れたのだろう。

型枠を外して年単位で残るかは、不明だ。

だけど、これは良い。蟻鱒鳶ルも狙っていく。

(写真には、この迫力は写っていません、あしからず)

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